犬は、もともと群れで生きる動物であるため、基本的に寂しがり屋です。
ひとりぼっちで留守番をしたり、飼い主さんとのコミュニケーションが不足したりすると、寂しくなってしまうことがあります。
そして寂しいときは、その気持ちを飼い主さんに伝えようとします。
犬なりの方法で、飼い主さんに『寂しいサイン』を送るのです。
飼い主さんがそのサインに気づかないでいると、寂しさが蓄積され、大きなストレスになりかねません。
ストレスは下痢や嘔吐、血便といった体調不良を引き起こすこともあるので、愛犬の『寂しいサイン』は見過ごさないようにしたいものです。
そのためにはまず、犬は寂しいときにどのようなサインを見せるのか知っておく必要があります。
そこで今回は、犬の『寂しいサイン』をご紹介したいと思います。
目次
犬の『寂しいサイン』
前足をなめる
犬が自分の前足をなめるのは珍しいことではなく、様々な理由から前足をなめます。
かゆみや違和感がある場合のほか、不安や緊張を和らげるためや寝る前の習慣として前足をなめることもあります。
そして、寂しさや退屈を感じているときにも前足をなめます。
留守番中や飼い主さんに構ってもらえず何もすることがないときに目の前にある前足をなめるのです。
舌の出し入れや咀嚼は、心拍数を下げて気持ちを落ち着かせる効果があると言われているので、前足をなめると寂しい気持ちも落ち着くのかもしれません。
前足に限らず、体の一部分をずっとなめ続けている場合は、ケガや痛み、皮膚病変、常同障害(生活に支障を来すほど同じ行動を続ける心の病気)などが疑われます。 動物病院を受診しましょう。
上目遣いをする
飼い主さんが何か作業をしているときにふと視線を感じて見てみると、そこには上目遣いで視線を送る愛犬の姿が…。
ということはありませんか?
犬は寂しさや退屈を感じているときに、上目遣いをして何とも切ない表情を見せることがあります。
力ない感じで座ったり、伏せたりしていることが多いようです。
どうしたらいいのか分からず不安なときにも、上目遣いをして飼い主さんに訴えることがあります。
そのときの状況から、寂しいのか不安なのか判断してあげましょう。
「クーン」と鳴く
犬は寂しいとき、小さくか細い声で「クーン」と鳴くこともあります。
上目遣いをしても寂しい気持ちに気づいてもらえない場合、「クーン」をプラスしてアピールすることも。
クレートやサークルの中から「クーン」と鳴くこともありますが、それはそこから出してほしいからです。
寂しそうに鳴いたからといって出してしまうと、鳴けば出してもらえると学習し、出してもらえるまで鳴き続けるようになる可能性があります。
要求吠えのひとつですので、クレートやサークルから出してほしくて鳴いているときは無視をして、「鳴いてもムダなんだな」と、犬が諦めるのを待ちましょう。
イタズラをする
留守番中や在宅時でも寂しさや不安からイタズラ行動に走ってしまう子もいます。
家具や靴・電気コード・壁紙・絨毯・ドア・窓枠・カーテン・植木鉢・本・新聞紙・ティッシュペーパー・衣類・おもちゃなど様々な物品が被害にあってしまうことがあります。
イタズラを防ぐ方法はいくつかありますが、一番大切なのは愛犬とのコミュニケーションです。
愛犬が寂しさや不安を感じないように、たくさんかまってあげてください。
イタズラされやすい物は、犬の手の届かない場所に片付けるようにしましょう。
特に電気コードやゴミ箱などは危険ですので注意してください。
イタズラ防止用のグッズも活用すると良いでしょう。
留守番中のイタズラには、クレートトレーニングがおすすめです。
クレートトレーニングとは、クレートやケージの中を愛犬の安心できる場所にする訓練です。
クレートやケージの中で落ち着けるようになれば、留守番中もイタズラしなくなる可能性が高まります。
飼い主さんにべったりくっつく
飼い主さんが帰ってきたときや、一緒にいるときにずっとくっついて離れない犬もいます。
これは寂しさや不安から、飼い主さんの存在を確かめたいという気持ちが強いからです。
飼い主さんが大好きで甘えたいという気持ちもあるでしょうが、過度に依存してしまうと分離不安症になる可能性もあります。
おしっこやうんちをする
犬は寂しさやストレスを感じると、おしっこやうんちをすることがあります。
これは自分の匂いで自分の居場所を確認したり、飼い主さんに自分の存在をアピールしたりする行動です。
また、おしっこやうんちは犬にとってストレス発散の手段でもあります。
吠える
犬は寂しさや退屈から吠えることがあります。
これは飼い主さんに自分の気持ちを伝えたり、周囲に自分の存在を知らせたりする行動です。
また、吠えることで心拍数が上がり、気分が高揚する効果もあります。
以上が犬の寂しさのサインです。
犬は寂しさや不安を感じると様々な行動で表現しますが、それらはすべて飼い主さんにかまってほしいというメッセージです。
飼い主さんは愛犬のサインに気づき、適切な対応をしてあげましょう。